阿弥陀さまってどんな仏さま?

お話

妙善寺は、浄土真宗本願寺派のお寺です。宗祖は親鸞聖人で、ご本尊は阿弥陀如来という仏さまです。そんな阿弥陀さまはどのような仏さまなのでしょうか。

阿弥陀さまは、全ての生きとし生けるもの、つまり私たちを必ず救おうと誓われました。私たちの生きている世界を仏教では「娑婆」と言います。「娑婆」の語源は、古いインドの言葉のサンスクリット語で「サハ―」という言葉で、「堪え忍ぶ」という意味があります。つまり私たちの生きているこの世界は、堪え忍ばなければならない世界ということです。

では、何を堪え忍ばなければならないのでしょう。それは、内には様々な苦悩を忍んで受け、外には寒・暑・風・雨などの苦悩を忍んで受けて、それを堪え忍んで生きていくしかないのです。その苦悩の原因は、誰しもが備えている「煩悩」というものです。「煩悩」というのは、身を煩わせ、心を悩ませるものです。この煩悩があるから私たちは苦しみ悩まされるのです。

私たちは堪え忍ばなければならない世界で生きているにも関わらず、24時間ずっと苦しみ悩んでいるわけではないですよね。「苦悩」というのは、自分の思い通りにならない時に生まれます。しかし、日々の暮らしの中では、思い通りにならないことだけではないですよね。たまに思い通りになる時、思い通りになっていた時期があります。だから、頭ではこの世界は思い通りにならないことばかりだということを忘れてしまうんですね。

そんなあらゆる苦悩を堪え忍んで堪え忍んで生きている私たちをご覧になられ、どうにかそこから抜け出させよう、救おうと願い、誓われたのが阿弥陀さまです。私を含め多くの人は、苦悩から目を背け、自分が悩まされ苦しめられているということを誤魔化しているうちに、解決されたと勘違いして日々暮らしているのではないでしょうか。しかし、それでは苦悩がなくなることはありません。私たちがこの娑婆の世界を生きている限り、根本的に解決されることはなく、苦悩を堪え忍んでしか生きていくことはできません。阿弥陀さまはそんな私を救おうとはたらきかけてくださる仏さまなんですね。

合掌