桜の季節も終わりが近づいてきました。
お花見に行かれた方もおられるかと思います。
そんな4月はお釈迦さまの誕生月です。
お釈迦さまは今からおよそ2500年前に北インドのルンビニーという花園でご誕生されたと伝わっています。
そんなお釈迦さまのご誕生をお祝いする「花まつり」が毎年4月8日に全国各地で行われました。
この花まつりは「灌仏会」とも言います。
「灌」という字は、「そそぎかける」という意味があります。
花まつりでお釈迦さまに甘茶をかけることから、灌仏会というようになったのじゃないかなと思います。
ではなぜ甘茶なのでしょう。
お釈迦さまがご誕生された時、様々な珍しいことが起きました。
花園の花は芳しい香りを放ち、甘く心地よい雨が降り注いだそうです。
このことから、甘茶をかけるようになりました。
そんな花まつりを行われても浄土真宗のお寺ではお釈迦さまのお姿が見当たりません。
皆さんのご自宅のお仏壇にもお釈迦さまはおられません。
そうしますと「浄土真宗はお釈迦さまをないがしろにしている」と思われるかもしれませんが、そうではないんです。
皆さんもよくご存知の「正信偈」には
如来世に興出したまう所以は、ただ弥陀の本願海を説かんとなり
とあります。
「如来」というのは、ここではお釈迦さまのことです。
お釈迦さまがこの世にお出ましくださったのは、阿弥陀さまのご本願を私に知らせようとしてくださったんです。
それは私からしますと、「あなたをなんとしても救おう」という阿弥陀さまが、そのことを知らせようとお釈迦さまのお姿になってご本願をお説きくださったということなのです。
なのでお釈迦さまは、阿弥陀さまがこの私にわかるように姿を現してくださったとも言えるんじゃないでしょうか。
浄土真宗では阿弥陀さまとは別にお釈迦さまに手を合わせることはありません。
けれどもお釈迦さまがお出ましくださったから、今こうして仏法に出遇わせていただいています。
花まつり、灌仏会はそんなお釈迦さまに、「生まれてくださって、阿弥陀さまのご本願をお説きくださってありがとうございます」とお勤めさせていただくご縁でありました。
南無阿弥陀仏