私の正体

お話

更新が滞ってしまい申し訳ありません。これからもマイペースにはなりますが、少しずつ更新していきたいと思います。

暑い夏が終わり、境内は金木犀きんもくせいの香りに包まれています。ようやくほっとできる季節になりましたね。

今年の夏は、口を開けば「暑い、暑い」、「早く涼しくなってほしい」と言っていたように思います。でも、いざ冬になると今度は「寒い、寒い」、「早く暖かい季節になってほしい」と言ってしまいます。

その度に「私はなんて勝手なのだろう」と思ってしまいます。

仏教では私たち人間のことを「煩悩具足ぼんのうぐそく凡夫ぼんぶ」と言います。「煩悩をそなえた存在」です。

「善いことをしようと思えばすぐ出来る。悪いことをやめようと思えばすぐやめられる。これを思いあがりという」という言葉があります。

私たちは人に優しくしようとしても、その人次第ですぐに気持ちは崩れてしまいます。

怒るのをやめようと思っても、そう長くは続きませんよね。

そう、全てはごえん次第なのです。

優しくしようと思っていても、相手の態度が気に入らなかったらどうでしょうか。

怒るのをやめようと思っても、腹を立てる縁があれば怒りますよね。

これはどれだけ勉強したから、教養があるから、修行をしたからということではありません。私たちの人間の正体が煩悩具足の凡夫だからです。

そんなご縁の中で生きている私たちでありますから、感情や行動もご縁次第でどうなるのかわからないのが私たちなんですね。

そんな私たちにとって、生きるり所は「南無阿弥陀仏なもあみだぶつ」のお念仏です。

日々の生活の中では、善いことばかりではありません。辛いこと、悲しいこと、苦しいことも多くあります。

しかし、いつでも、どこでも、どんな状況でも阿弥陀さまは「南無阿弥陀仏」という声の仏さまとなって「あなたを一人にはしない」と私とご一緒してくださいます。

有り難いですよね。

南無阿弥陀仏